LCK2018Summerの感想 Week2

『カイサブラウム』『ザヤラカン
という、新しい形のファンネリングが出てきたLCK。
また、ファンネリングを成功させる為の鍵となる
サイドレーンのピックにも変化が出てきたり、
Week1で大暴れしたマスターイータリックに対して少しずつ対処法も見られてきた。
そして、Topで大暴れする各チャンプに対して専用のカウンターが用意される事も。

このカイサブラウムザヤラカンのファンネリング。
他のファンネリングと違う点を挙げると、
ADCのプレイヤーがJgロールでマークスマンを、
JgロールのプレイヤーがMidロールでサポートチャンプを使う事で、
ADCのプレイヤーは元々習熟しているマークスマンのチャンプを活かした戦闘を、
Jgのプレイヤーはレーン戦をする必要のないMidに出て、
ADCプレイヤーのJg内の動きの補助を行う事が出来る。

ではMidのプレイヤーは何処に行くのかというと、
Botレーンに行ってSupと共に通常の 2v2のレーン戦を
ルルやタリヤ、ブラッドなどMidで元々使っていたチャンプを使用して行う。
もちろん、本職のBotSupの二人を相手にする関係もあって、
レーン戦が上手くいかない事もあるが…

また、サポートシェンやタムケンチが魔導書を持ってくる場面も多々見られた。
最初イグナイトを持ってきて途中からイグゾーストなど
集団戦に強いサモナースペルを持ってくる事と、
タムケンチの場合は要所でCCを解除する為のクレンズを
魔導書の効果で使えるように出来るのも大きい。

Week3はパッチが8.12となり、大会に関わる一番大きな変更点としては
統率の旗の削除。
8.11よりも前からマークスマンのお株を完全に奪っていた
バロン旗砲台ミニオンによる強力なタワーシージが出来なくなる事から、
Botレーンから消えていたマークスマン達がどのようにして復活してくるのか、
それとも未だマークスマンを採用するほどではないのか、
その辺りに注目していきたい。


今週のBAN(全30Game) ※括弧内はBanされたGame数

LCKではNALCSで起きたゲーム(サーバー)クラッシュの問題を受けて、
タリヤカーサススマイトを持つ事がWeek2で全試合禁止された。
その為、BANPickがWeek1や他の地域と大きく変化した部分もある。

ノクターン(23)が第一位。
Week1の圧倒的な強さでほぼ全ての試合でBANされた形。
取られた時の明確な対策がほぼ見えず、
ファンネリングに対しても弱くはないのがこれだけBANされる理由だろう。

バーストと耐久力を兼ね備えたスウェイン(20)や、
序盤が強くエンゲージやキャッチが得意なカミール(17)、
Midで強力なゾーイ(16)ルル(15)も多くBANされている。

逆にイレリア(6)はWeek1からBANが大きく減った。
TopやBotでの強みがあまり無く主に使いたい場所がMidに限定されている事と、
何よりファンネリングに対して非常に弱い事から
先出しが難しくなってしまっているのがその理由だと思われる。

そのファンネリングの肝、マスターイー(12)も相変わらずのBAN数となった。


Pickの感想 ※括弧内はそのRoleでPickされたGame数

Top
ローリスクのカウンターがあまり無く先出ししやすいエイトロックス(12)が一位。
そして同じく先出しのしやすいムンド(11)が二位、こちらはBAN数も同じ11回。
ダリウス(8)はGankなどで潰されてしまう事も多く、
オーン(7)はスプリットプッシュやカウンターのシンジドに
仕事をさせてもらえない場面も多かった。
注目としてはエイトロックスのカウンターとして
ジャックス(4)やレネクトン(1)が出 たところ。
ジャックスはファンネリングチャンプのオートアタックへの対処法としての使用も。

Jg
Pick回数はノクターンカミールの2チャンプがBANされる中でトランドル(9)が一位。
次にBANから外れたカミール(8)ノクターン(6)と続く。
ノクターンはなんと勝率100%6勝0敗
ファンネリングへの対応としてジャングルを回る事が得意なグレイヴス(6)、
新しい顔ぶれとしては2チャンプがBANされる中、遅めの展開になる事も多い事から
なんとセジュアニ(6)が再び現れる事も出てきた。

Mid
ゾーイ(12)が一位。
ルルがBANされた時にブルーサイドがとりあえず最初に取る事が多い。
イレリア(9)はイニシエート役やゾーイのカウンターとして採用されるものの、
前述の通りファンネリングに潰されてしまう事も多く優先度は下がった印象。
そしてJgが禁止されてBANが減ったタリヤ(5)が出てくる機会が増えた。
スウェイン(5)とガリ(5)は
スウェインが勝率100%ガリオが4勝1敗勝率80%と非常に高戦績。
ガリオは以前のメタと同じようにゾーイに対してのカウンターであったり、
カミールやノクターンに合わせてエンゲージの補助として採用されるのが主。
ルル(4)も多くBANされる中で出てくる事もあり、
ブルーサイドでまず1stPickでルルを取り、2nd3rdPickでファンネリングチャンプ、
そしてMidに見せかけてBotやSupへ行くというのも役割の一つだった。

Bot(ADC)
エズリアル(14)が11勝3敗と勝率も圧倒的な一位。
ブラッドミア(9)もPickされるものの1勝8敗とあまりいい戦績を残せなかった。
続いてルシアン(5)がエズリアルに対して出す
ダメージ系マークスマンとして採用されている。
そして同じPick数なのがルル(5)、ファンネリングの時にBotに現れる事が多い。
他レーンで有利が取れる時のモルデカイザー(4)もタンクサポートと共に現れ、
新たにBot(ADC)でエンゲージ役が欲しい時にヴァルス(3)が出てくる事も。
面白いPickとしてはタリヤ(2)がファンネリングの時にレーンの有利を取る事や、
シェンと合わせてマップ全体への強みを生かしていく為にPickされていた。

Sup
タムケンチ(12)がゾーイ対策やグローバルUlt、エズリアルとの相性によって一位。
その次にラカン(10)やシェン(9)、モルガナ(6)やアリスター(5)など
エンゲージに関わるチャンプが主流。
オーン対策としてラウム(3)が再びBotで採用される場面も見られた。

ファンネリング(Jg/Mid)
新顔のカイサブラウム(4)が一位。
味方と合わせての圧倒的なシールド量や
シミターゾーニャGAという相手の狙いを挫くアイテムを積んで
カイサの圧倒的なキャリー力で敵をねじ伏せていくのが特徴。
デスダンスを積んだ少し懐かしい全共生兵器化ビルドの形を採用する選手も。
続いてマスターイータリック(3)も出てくる中、
MidリサンドラやMidジャックスという対処法も試されていた。
もう一つのマークスマンファンネリングとして、なんとザヤラカン(1)が登場。
ウォーリアーエンチャントと相性がいい点、
そして何よりも2ndBANフェイズの前に出されると
普通にBotレーンに行くのか、それともMidJgでファンネリングなのか分からない点が
BANPickの強みとしてこれから効いてくるのではないだろうか。


Week2の個人的一押しゲーム

6/23(土) Hanwha Life Esports vs Afreeca Freecs Game2

www.youtube.com

今週現れた新しいファンネリングカイサブラウム
相手のTopにダリウス、Botにヤスオが現れる中、
なんとBotとして出したシンドラTopのシンジドレーンスワップ
シンドラTop、Botにシンジドとタムケンチという形に。
そして、この試合のラストは衝撃、そして笑撃の結末となる為ぜひ見てほしい。

LCK2018Summerの感想 Week1

『マスターイータリック』 vs 『ヌヌカーサス』
という、このパッチの混沌さを表すかのようなスタートを切ったLCK。
Botレーンの大幅な変更によって様々なBotDuoや全体の構成が試される中、
パッチの影響を大きく受けなかったTopレーンの一部チャンピオンの強さも目立った。

ゲーム時間は25分~35分が中心とMSIの頃(8.8)より非常に早く、
エルダードラゴンがサモナーズリフトに出勤する事なく終わる試合がほとんど。
コアアイテムが1個から影響力を発揮出来るチャンピオンが強く、
コアアイテム2個からのチャンピオンは少し遅い印象。
クリティカル系アイテムは"ヤスオを除いて"姿をほぼ消した。
そして、大幅変更の入ったBotレーンにはブラッドやライズ、ヤスオが現れ、
バグモルデカイザーが3年ぶりに帰ってきた。

ファンネリングへの対策が週の中盤から少しずつ見えるものの、
(funneling:今回はイータリックやヌヌカーサスのように、Midのミニオンとジャングルのモンスターをどちらか1チャンプに集める事)
マスターイータリックだけは、相手に一部のチャンピオンを取らせなければ
LoLのセオリーを無視出来るだけのパワーを持っているように思えた。
(6/17(日) MVP vs Gen.G Game1 でのマスターイーの強引なエンゲージを見ての感想)

youtu.be

現行パッチ8.12でゲームから削除される事になる統率の旗
このパッチでは2個3個と買われることも多く、
ミニオンの処理も以前のパッチより時間が掛かり、混沌さに一役買っている。
(LCKで8.12になるのはおそらくWeek3から)

Week2は他の地域の試合が行われた結果、
新しいチャンピオンや戦略が登場するかどうか。
あまり成功例が見られないヌヌカーサスの勝利は見られるのか。
全く違う形のファンネリングは出てくるのか。
という部分を個人的には注目していきたい。


今週のBAN(全31Game)※括弧内はBanされたGame数

タリヤ(27)が圧倒的1位。
スキルの変更によって新しく出てきたJgタリヤの印象が強いが、
Midタリヤもバースト力が上がった事で採用される例も多く、
基本的には取らせたくないチャンピオンとなっている。
以下、イレリア(22)、カミール(16)、シェン(14)と続く。

そして何よりマスターイー(14)。
カウンターのルルがブルーサイドの最初に取られる状況では中々ピック出来ないが、
レッドサイドの1度目の2ピックでマスターイーからタリックと続けてピックし
完成させられるのが強み。
単体のジャングラーではプロだとおそらく発揮できないその爆発力や対処のしにくさは
現在のパッチで最もBANされているタリヤ単体より高いように感じた。

ジャングラーとサポート2人にエンゲージを任せる事が多く
ジャングラーからのエンゲージを補助出来るUltを持つシェンも含め、
アリスター(12)ラカン(12)とエンゲージの得意なサポートがBANされる事も多い。
週中盤からはブラッド(10)もバーストやレーン耐久力、
そして基本的にはBotレーンになるが、TopMidBotと3レーン行けるという
ドラフトでの有利から1stBANフェイズでBANされる事も増えていた。


Pickの感想 ※括弧内はそのRoleでPickされたGame数

Top
Topでも数少ないエンゲージチャンピオン、オーン(10)
エンゲージは出来無いが回復力による硬さと火力を兼ね備えたドクタームンド(10)
バーストからの回収役やタンクに対するスプリットプッシュ役のダリウス(9)
DPS役かつスプリット役、たまにヤスオのノックアップ要員にもなる
エイトロックス(6)が目立った。
他にもガングプランク(6)や、オーンのカウンターシンジド(5)なども。

Jg
Ultからのエンゲージが強力でシェンUltとの組み合わせも強いノクターン(15)
11勝4敗と圧倒的。
Lv2赤バフからのGankも出来て序盤からゲームを動かせるエンゲージ役、カミール(11)
カミールと同じような役割でありUltでRangedに耐性を持つシンジャオ(5)が目立った。
トランドルやスカーナーのPickはあったものの、
以前のパッチよりゲームへの影響力が薄い印象を感じた。
ファンネリング系は後ほど。

Mid
以前のパッチほどプッシュが苦しくないサポート役のMidルル(11)、
ファームだけでも育つポークとバーストの火力が強力なゾーイ(11)、
週後半ではUltの回復での硬さとバーストが魅力のスウェイン(4)も目立った。
イレリア(7)はイニシエート役にもなれる強さはあるが少し成績は振るわない模様。
ヤスオ(Mid3Bot3)もDPSやオーン対策の壁の他に、後からレーンを選べる点や
エイトロックスやトランドルのノックアップ延長役として使われる事も。

ADC(Bot)
レーンでの回復力や集団戦でのバーストそしてWによる回避を持つ
ブラッド(11)の強さが最も目立った。
そのブラッドに対抗出来るライズ(9)もTopやMidにも行けるドラフト面や
シールドの硬さも含めて印象に残った。
従来のADCとしては、序盤から強力なルシアン(8)と完成の早いエズリアル(9)
ルシアンは2ndアイテムにエッセンスリーバーではなく
ブラッククリーバーのHealth400でバーストから耐え、
エズリアルはゲームのテンポが早くなり涙2個の完成がほぼ無くなった事から
3rdアイテムでルインドキングブレードに行くようになった。
Season5からプレイしてる人には懐かしの
ダブルレリックモルデカイザー(7)も出てくるようになり、
モルデカイザーがドラゴンを取れるよう全体的な有利を
他のレーンやジャングラーで作れるなら効果的なピックとなっている。
ジャングラーがノクターンのようなLv6から強力なタイプよりも、
早い段階から、それこそ最初のバフ直後からGankが強い
カミールやシンジャオの時に向いている印象。
アッシュ(4)もファンネリングに対してEでJg内の視界を取り対策をしたり
ルシアンに対してレーン有利を取りやすい点で採用される事も。

Sup
ジャングラーのキャッチを補助するシェン(10)
このパッチで増えたバーストやキャッチからの救出と
Ultで人数差を作れるタムケンチ(9)
キャッチが強いJgにBANが集中した時や2人目のエンゲージ役として
アリスター(7)ラカン(6)を採用する事も多い。
また、ラカンやブラッドへの対策としてソラカ(5)やモルガナ(4)が出てくることも
週後半では増えたように思える。

ファンネリング(Mid/Jg)
CCで固められなければゲームを破壊出来るタリック/マスタイー(3)
カーサスの火力は高いもののヌヌのサポート力が薄く感じるカーサス/ヌヌ(4)
ファンネリングの中でも序盤から影響を出している印象のラウム/グレイヴス(2)
例外になるがファンネリングに対してブラウム/カミールやブラウム/タリヤ、
厳密にはファンネリングではないがルル/ノクターンで対処するのも見られた。


Week1の個人的一押しゲーム

6/13(水) Afreeca Freecs vs SKT T1 Game2

youtu.be

あのFakerダリウスを使ってBotに、Bangルルを使ってMidに行った試合。
FakerとWolfのコンビネーションと突然のレーンチェンジに対応し続ける展開に注目!