LCK2018Summerの感想 Week1

『マスターイータリック』 vs 『ヌヌカーサス』
という、このパッチの混沌さを表すかのようなスタートを切ったLCK。
Botレーンの大幅な変更によって様々なBotDuoや全体の構成が試される中、
パッチの影響を大きく受けなかったTopレーンの一部チャンピオンの強さも目立った。

ゲーム時間は25分~35分が中心とMSIの頃(8.8)より非常に早く、
エルダードラゴンがサモナーズリフトに出勤する事なく終わる試合がほとんど。
コアアイテムが1個から影響力を発揮出来るチャンピオンが強く、
コアアイテム2個からのチャンピオンは少し遅い印象。
クリティカル系アイテムは"ヤスオを除いて"姿をほぼ消した。
そして、大幅変更の入ったBotレーンにはブラッドやライズ、ヤスオが現れ、
バグモルデカイザーが3年ぶりに帰ってきた。

ファンネリングへの対策が週の中盤から少しずつ見えるものの、
(funneling:今回はイータリックやヌヌカーサスのように、Midのミニオンとジャングルのモンスターをどちらか1チャンプに集める事)
マスターイータリックだけは、相手に一部のチャンピオンを取らせなければ
LoLのセオリーを無視出来るだけのパワーを持っているように思えた。
(6/17(日) MVP vs Gen.G Game1 でのマスターイーの強引なエンゲージを見ての感想)

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現行パッチ8.12でゲームから削除される事になる統率の旗
このパッチでは2個3個と買われることも多く、
ミニオンの処理も以前のパッチより時間が掛かり、混沌さに一役買っている。
(LCKで8.12になるのはおそらくWeek3から)

Week2は他の地域の試合が行われた結果、
新しいチャンピオンや戦略が登場するかどうか。
あまり成功例が見られないヌヌカーサスの勝利は見られるのか。
全く違う形のファンネリングは出てくるのか。
という部分を個人的には注目していきたい。


今週のBAN(全31Game)※括弧内はBanされたGame数

タリヤ(27)が圧倒的1位。
スキルの変更によって新しく出てきたJgタリヤの印象が強いが、
Midタリヤもバースト力が上がった事で採用される例も多く、
基本的には取らせたくないチャンピオンとなっている。
以下、イレリア(22)、カミール(16)、シェン(14)と続く。

そして何よりマスターイー(14)。
カウンターのルルがブルーサイドの最初に取られる状況では中々ピック出来ないが、
レッドサイドの1度目の2ピックでマスターイーからタリックと続けてピックし
完成させられるのが強み。
単体のジャングラーではプロだとおそらく発揮できないその爆発力や対処のしにくさは
現在のパッチで最もBANされているタリヤ単体より高いように感じた。

ジャングラーとサポート2人にエンゲージを任せる事が多く
ジャングラーからのエンゲージを補助出来るUltを持つシェンも含め、
アリスター(12)ラカン(12)とエンゲージの得意なサポートがBANされる事も多い。
週中盤からはブラッド(10)もバーストやレーン耐久力、
そして基本的にはBotレーンになるが、TopMidBotと3レーン行けるという
ドラフトでの有利から1stBANフェイズでBANされる事も増えていた。


Pickの感想 ※括弧内はそのRoleでPickされたGame数

Top
Topでも数少ないエンゲージチャンピオン、オーン(10)
エンゲージは出来無いが回復力による硬さと火力を兼ね備えたドクタームンド(10)
バーストからの回収役やタンクに対するスプリットプッシュ役のダリウス(9)
DPS役かつスプリット役、たまにヤスオのノックアップ要員にもなる
エイトロックス(6)が目立った。
他にもガングプランク(6)や、オーンのカウンターシンジド(5)なども。

Jg
Ultからのエンゲージが強力でシェンUltとの組み合わせも強いノクターン(15)
11勝4敗と圧倒的。
Lv2赤バフからのGankも出来て序盤からゲームを動かせるエンゲージ役、カミール(11)
カミールと同じような役割でありUltでRangedに耐性を持つシンジャオ(5)が目立った。
トランドルやスカーナーのPickはあったものの、
以前のパッチよりゲームへの影響力が薄い印象を感じた。
ファンネリング系は後ほど。

Mid
以前のパッチほどプッシュが苦しくないサポート役のMidルル(11)、
ファームだけでも育つポークとバーストの火力が強力なゾーイ(11)、
週後半ではUltの回復での硬さとバーストが魅力のスウェイン(4)も目立った。
イレリア(7)はイニシエート役にもなれる強さはあるが少し成績は振るわない模様。
ヤスオ(Mid3Bot3)もDPSやオーン対策の壁の他に、後からレーンを選べる点や
エイトロックスやトランドルのノックアップ延長役として使われる事も。

ADC(Bot)
レーンでの回復力や集団戦でのバーストそしてWによる回避を持つ
ブラッド(11)の強さが最も目立った。
そのブラッドに対抗出来るライズ(9)もTopやMidにも行けるドラフト面や
シールドの硬さも含めて印象に残った。
従来のADCとしては、序盤から強力なルシアン(8)と完成の早いエズリアル(9)
ルシアンは2ndアイテムにエッセンスリーバーではなく
ブラッククリーバーのHealth400でバーストから耐え、
エズリアルはゲームのテンポが早くなり涙2個の完成がほぼ無くなった事から
3rdアイテムでルインドキングブレードに行くようになった。
Season5からプレイしてる人には懐かしの
ダブルレリックモルデカイザー(7)も出てくるようになり、
モルデカイザーがドラゴンを取れるよう全体的な有利を
他のレーンやジャングラーで作れるなら効果的なピックとなっている。
ジャングラーがノクターンのようなLv6から強力なタイプよりも、
早い段階から、それこそ最初のバフ直後からGankが強い
カミールやシンジャオの時に向いている印象。
アッシュ(4)もファンネリングに対してEでJg内の視界を取り対策をしたり
ルシアンに対してレーン有利を取りやすい点で採用される事も。

Sup
ジャングラーのキャッチを補助するシェン(10)
このパッチで増えたバーストやキャッチからの救出と
Ultで人数差を作れるタムケンチ(9)
キャッチが強いJgにBANが集中した時や2人目のエンゲージ役として
アリスター(7)ラカン(6)を採用する事も多い。
また、ラカンやブラッドへの対策としてソラカ(5)やモルガナ(4)が出てくることも
週後半では増えたように思える。

ファンネリング(Mid/Jg)
CCで固められなければゲームを破壊出来るタリック/マスタイー(3)
カーサスの火力は高いもののヌヌのサポート力が薄く感じるカーサス/ヌヌ(4)
ファンネリングの中でも序盤から影響を出している印象のラウム/グレイヴス(2)
例外になるがファンネリングに対してブラウム/カミールやブラウム/タリヤ、
厳密にはファンネリングではないがルル/ノクターンで対処するのも見られた。


Week1の個人的一押しゲーム

6/13(水) Afreeca Freecs vs SKT T1 Game2

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あのFakerダリウスを使ってBotに、Bangルルを使ってMidに行った試合。
FakerとWolfのコンビネーションと突然のレーンチェンジに対応し続ける展開に注目!